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有限温度・密度における量子色力学の相構造の研究

分野
素粒子・ハドロン・原子核物理学
キーワード
相転移、閉じ込め・非閉じ込め、クォーク
情報工学部 情報工学科

助教 柏 浩司

研究概要

研究目的:量子色力学(QCD)の相構造の解明

 物質の相構造を解明するには、各エネルギースケールにおいて物質がどのような状態にあるのかを示す相図を描く事が必要である。本研究では、素粒子であるクォークグルーオンが、超高温や超高密度状態の様な極限状況下において示す物性の研究を行っている。QCD相図の研究における大問題として、QCDを直接用いた第一原理計算が符号問題の発生により有限密度領域で破綻し、予想図しか得ることができていない事があげられる。しかし、QCDの相構造は初期宇宙や近年の加速器実験、中性子星内部などに関係する重要な情報であり、その解明は素粒子・ハドロン・原子核物理だけにとどまらず宇宙物理においても重要である。

1.符号問題の解決に向けて機械学習を利用した研究

 符号問題は経路積分を実行する際に生じる数値計算上の問題であるので、この問題に対処するため積分経路を実から複素に拡張した後に、符号問題が弱くなる積分経路の取り直しを行う手法の構築・改良を行っている。その際、新しい積分経路の推定に機械学習を利用している。現在の所、まだQCDへの適用はできていないが、QCDよりも簡単ないくつかの理論でうまく行くことを確認しており、現在研究を進めているところである。

2.トポロジカルな観点からのクォークの閉じ込め・非閉じ込めについての研究

 クォークは極限状況下において非閉じ込め状態という新奇な状態に転移することが予想されている。しかし、この非閉じ込め状態への相転移はいまだ謎が多い。そこで、この相転移をトポロジカルな観点から見つめなおし、その性質を明らかにすることを目指している。

利点・特徴  初期宇宙や近年の加速器実験、中性子星の様な重い星の内部などに関係する量色力学の相構造を、数値計算と解析計算を利用してトポロジカルな観点から研究している。

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