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無機ナノシート液晶の開発

分野
ナノマテリアル、無機化学、液晶、高分子、コロイド、ソフトマテリアル
キーワード
層状結晶
工学部 生命環境科学科

准教授 宮元 展義

研究概要

 本研究では、「無機ナノシート液晶」と呼ばれる新しいタイプの液晶素材の独自開発を行っている (Adv. Mater. 2011, Nature Commun. 2015等)。無機ナノシート液晶は、天然の粘土鉱物や無機固相合成した様々な層状結晶を原料とし、これらを溶媒中で剥離・分散することによって合成する。ナノシート自体の機能化(電気的特性、電荷密度、光活性、磁性、発光など)や、コロイドとしての物性制御(粒径、溶媒、対カチオン種、塩濃度)、また種々の高分子や生体分子、有機機能分子との複合化を行うことによって、微構造・物性・機能が制御され、さまざまな用途に利用可能なナノシート液晶の合成を行っている。なお本研究は、東京大学、九州大学、仏オルレアン大、仏パリ第11大学、物質材料研究機構などと共同で進めている。

利点・特徴  無機ナノシートは約1nmの厚さに対して最大で数百μmにもなる横幅を持った極めて異方性の大きいナノ素材である。最近では、グラフェンが特に注目されているが、その他にも様々な種類のナノシートを合成することができる。さらに我々の研究では、ナノシートをそのまま利用するだけでなく、ナノシートが溶媒に分散して自発的に形成する組織化構造である液晶相を積極的に利用する点が特徴的である。無機ナノシート液晶は、既存の有機液晶と比べて、無機物特有の電子物性などを活用しやすく、機械的熱的安定性に優れ、無機有機ナノ複合体の合成に活用しやすいなど多くの利点がある。
応用分野  液晶はすでに、表示素子や光シャッタ−など広い分野で応用されており、本研究の新しい液晶も同様の応用が可能である。無機ナノシート液晶の場合、安価・無害・安全・環境低負荷の粘土鉱物等からの合成も可能であり、大規模な遮光窓などへの応用も考えられる。
 一方、液晶は、トップダウン手法では不可能なナノ構造構築や異方性材料の合成などにも利用可能である。特に、高分子との複合化によるガスバリア性・強度・耐熱性などに優れる高性能複合材料などの開発が期待される。また、液晶ならではの構造色や刺激応答性を利用したセンサーや色材への応用も模索している。 
特許情報 特開2015-145322「無機ナノシート分散液及び無機ナノシート分散液の製造方法」

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