ニュースリリース(マスコミの方へ)「歯科触診」仮想訓練システムで磨け ~視覚+位置&形状+触覚 新仮想システムで、がん早期発見へ~

リンパ節がんや口腔がんの早期発見のために、歯科医には指先の感覚で病状を特定する「触診」の技術が求められます。本学情報工学部の徳安研究室では、九州大学歯学部との共同研究により、VR(仮想現実)とロボット技術を融合した歯科触診訓練システムの開発に取り組んでいます。
このシステムでは、VR空間に描かれた患者モデルに対して、患部周辺を触った感覚を訓練者の指先に伝えるというものです。特に、訓練者の指の動きをモーションキャプチャで計測し、硬さを随時変えられる特殊なシリコンで作成した装置が患部周辺の硬さを指先に伝達します。これにより、実物(患者)がいなくとも仮想の患者の口腔周辺を触ってなぞる「触診」訓練ができるようになります。
触診は歯科医にとって重要な診断技術であり、その精度向上は経験を積むほかありません。しかし、歯学教育の現場では、歯学生は危機管理上の問題から患者を対象とした触診の実習を行うことが出来ません。歯科医の触診技術の精度を高めるための訓練システムを開発し、国内の歯科診療の品質を高め、ガンを早期発見する技術の向上につなげます!

モーションキャプチャ画像引用:OptiTrack Japan, Ltd. OptiTrack V120: Trio

  1. モーションキャプチャによって訓練者の指位置を検出して、仮想空間の患者にあてはめます。
  2. 6基のセンサーとモーターを使ったロボットが手に「形状」や「位置」の情報を伝えます。
  3. ●部分は人間の肌に近いシリコン素材の「触覚アタッチメント」。空気圧で硬さを随時変え、「触覚」を伝えます。

仮想患者の口やあごを指でなぞり、リンパ節がんなどの「しこり」や「腫れ」の感触を確かめる、一連の触診が仮想空間上でできるようになります。

 

研究の意義

仮想現実での触診訓練ではデータをシステムに反映することで、顔や首の形、病気の進行具合など、様々な状況の患者を想定した訓練が可能です。将来的に、過去の患者データから仮想患者モデルを自動生成することで、実際の事例をもとに歯学生が指導医と対話的に触診の経験を積むことが出来るようになり、技術を早期養成出来る可能性が広がります。本システムによって技術をより効率的に高める支援をし、リンパ節がんや口腔がんなど、「触診」なしでは覚知が難しい深刻な病気についても、早期発見の可能性を高めていきたいと考えています。

 

用語解説

パラレルリンクロボット

6つのアームにそれぞれセンサーとモーターを搭載したロボット。患部の位置を訓練者に伝えるために、VR上の仮想患者の顔やあごなどの「形」に沿って動作します。現在、設計とシミュレーションによる動作確認が終わり、これから実験機を作成し、動作テストを行う予定です。

 

「触覚」アタッチメント

人間の肌に近いシリコン素材のアタッチメントにVRと連動させて空気を注入し、硬さをリアルタイムで変更。がんのしこりを触った感覚が実際どのようなものなのか?など「触覚」を仮想現実上で確認することが可能になります。

 

システム開発者

朱曉霊(しゅ・ぎょうれい)さん
福岡工業大学大学院工学研究科情報システム工学専攻2年生 システム開発は、徳安研の卒業生である丸山翼さんとともに構想され、昨年12月に開かれた 国内でも権威ある学会のひとつである「第19回公益社団法人計測自動制御学会」において、優秀講演賞を受賞しています。

 

 

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福岡工業大学 広報課 (担当:池田)
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